妄想オフィスの残業手当
2013/04/04
◆電子書籍『妄想オフィスの残業手当』(ハニータイム文庫)◆
1人だけ残業になってしまったOLの美帆。ふと係長の閲覧履歴を開くと、出てきたのは《緊縛博物館》というアダルトサイト。驚きながらも好奇心に負けて見ていくうちに、興奮してつい1人Hを始めてしまう。ところが突然、背後から男の声が――!「何をしているんですか?」
◆Hシーン抜粋◆
ぞくっとして、美帆は唾を飲みこんだ。
「やだ……なんかすごく、エロい……」
女性を辱めるというより、緊縛美をテーマにしたサイトのようだ。上品なイメージなので、一般的なポルノほど抵抗を感じない。
つい次から次へとページを開いていくと、着衣での緊縛写真も出てきた。ストーリー性を持たせたコスプレ的な連続写真もある。
道を歩いていたスーツ姿の女性が、背後から口をふさがれて車に押しこまれ、縛られて監禁され――。
「OLの誘拐ものって、みんな好きなんだねえ」
そうつぶやいた瞬間、美帆は、写真のOLと自分を重ねてしまって、どきりとした。
恐怖からではない。縛られたOLがなんだか幸せそうで、うらやましく感じてしまったのだ。
「ああもう、だれかさらってくれないかな」
半分本気で思ってしまう。
「強盗でもいいや。突然この部屋に入ってきて、騒がれないように私を縛りあげるの。でも強盗は私に一目惚れして、お金のことも忘れて私の体に……」
想像したらぞくぞくしてきた。
「それで、その強盗が覆面を取ると、すごいイケメンなのよ。性格も本当はいい人で」
手足を縛った美帆に猿轡をかませようとした強盗の目が、はっと身開かれる。強盗がみずから覆面をはぎとると、現れたのは、彫りが深くて男らしい、美帆好みの整った顔。強盗は戸惑うように目を伏せて、やさしく美帆の唇にキスを――。
「ああ、でも彼と私は、犯罪者と被害者。住む世界が違うのよ。だからせめて、ひと晩だけでも結ばれようと……」
縛られたまま、相思相愛の男に激しく愛される状況を思いうかべると、体がうずいて股間が熱くなった。
無意識に手が動く。
右手が股間に伸びたが、スカート生地がぴんと張っているせいで、直接刺激することはできない。もどかしくて、左手で右の胸に触れる。布地ごしにもかかわらず、そこは敏感で、走った快感にびくっと体が震える。
◆Hシーン抜粋◆
「なっ……何を……?」
「しーっ。黙って、僕に任せて」
両手を後ろへまわされ、布のようなもので手首をひとまとめに縛られた。たぶん、いまはずしたネクタイだ。きゅっと布のこすれる感触に、背すじがぞくっとする。
「このほうが、本物っぽくていいでしょう?」
耳元で囁くように言われた。
「大丈夫。君がいやがることはしませんから。むしろ、リクエストがあったら言ってくださいね」
「え……あの? ……え……? え……?」
背すじをすっと指先で撫であげられて、美帆はようやく状況が呑みこめてきた。
緊縛写真を美帆の嗜好だと誤解した修一が、実践の相手をしてくれるつもりなのだ。
「いえっ……そうじゃなくて……あっ」
否定しようとしたが、首すじにキスをされて、がくっと膝の力が抜けた。
「君の好きな人が相手だと思ってくれていいですよ。なんなら、目隠しもしましょうか?」
「いっ、いえっ! 目隠しはいりません!」
思わず力強く言ってしまってから、美帆はかーっと首まで赤くなった。
――わーっ! 馬鹿、馬鹿、私の馬鹿っ! これじゃまるで、縛られるのはいいみたいな言い方じゃないのっ!
「そう。じゃあ、このまま進めるよ」
修一の声音が甘く変わり、くだけた口調になった。
――ど、どうしよう。これじゃもう、やめてくれなんて言えない雰囲気。ああ、でも、こんなすてきな人にしてもらえるなら……。
このままでもいいかな、と思ったとたん、気持ちの抵抗がなくなった。耳元に修一の息遣いを感じて、急にどきどきしてしまう。
背後からやさしく抱きしめられ、両手で左右の乳房を包まれた。そのままうなじに唇を押しあてられ、ついばむように何度もキスをされる。その動きに合わせて、修一の手にも力が入り、軽く押された乳房が心地よい。
不思議な感覚だった。
後ろ手に縛られて動けないところを、よく知らない男に触られてキスされる。ふつうに考えれば気持ち悪くて恐ろしい状況なのに、そんなふうには感じない。むしろ、強い力で守られているような、なんともいえない安心感がある。
ぞくっとして、美帆は唾を飲みこんだ。
「やだ……なんかすごく、エロい……」
女性を辱めるというより、緊縛美をテーマにしたサイトのようだ。上品なイメージなので、一般的なポルノほど抵抗を感じない。
つい次から次へとページを開いていくと、着衣での緊縛写真も出てきた。ストーリー性を持たせたコスプレ的な連続写真もある。
道を歩いていたスーツ姿の女性が、背後から口をふさがれて車に押しこまれ、縛られて監禁され――。
「OLの誘拐ものって、みんな好きなんだねえ」
そうつぶやいた瞬間、美帆は、写真のOLと自分を重ねてしまって、どきりとした。
恐怖からではない。縛られたOLがなんだか幸せそうで、うらやましく感じてしまったのだ。
「ああもう、だれかさらってくれないかな」
半分本気で思ってしまう。
「強盗でもいいや。突然この部屋に入ってきて、騒がれないように私を縛りあげるの。でも強盗は私に一目惚れして、お金のことも忘れて私の体に……」
想像したらぞくぞくしてきた。
「それで、その強盗が覆面を取ると、すごいイケメンなのよ。性格も本当はいい人で」
手足を縛った美帆に猿轡をかませようとした強盗の目が、はっと身開かれる。強盗がみずから覆面をはぎとると、現れたのは、彫りが深くて男らしい、美帆好みの整った顔。強盗は戸惑うように目を伏せて、やさしく美帆の唇にキスを――。
「ああ、でも彼と私は、犯罪者と被害者。住む世界が違うのよ。だからせめて、ひと晩だけでも結ばれようと……」
縛られたまま、相思相愛の男に激しく愛される状況を思いうかべると、体がうずいて股間が熱くなった。
無意識に手が動く。
右手が股間に伸びたが、スカート生地がぴんと張っているせいで、直接刺激することはできない。もどかしくて、左手で右の胸に触れる。布地ごしにもかかわらず、そこは敏感で、走った快感にびくっと体が震える。
◆Hシーン抜粋◆
「なっ……何を……?」
「しーっ。黙って、僕に任せて」
両手を後ろへまわされ、布のようなもので手首をひとまとめに縛られた。たぶん、いまはずしたネクタイだ。きゅっと布のこすれる感触に、背すじがぞくっとする。
「このほうが、本物っぽくていいでしょう?」
耳元で囁くように言われた。
「大丈夫。君がいやがることはしませんから。むしろ、リクエストがあったら言ってくださいね」
「え……あの? ……え……? え……?」
背すじをすっと指先で撫であげられて、美帆はようやく状況が呑みこめてきた。
緊縛写真を美帆の嗜好だと誤解した修一が、実践の相手をしてくれるつもりなのだ。
「いえっ……そうじゃなくて……あっ」
否定しようとしたが、首すじにキスをされて、がくっと膝の力が抜けた。
「君の好きな人が相手だと思ってくれていいですよ。なんなら、目隠しもしましょうか?」
「いっ、いえっ! 目隠しはいりません!」
思わず力強く言ってしまってから、美帆はかーっと首まで赤くなった。
――わーっ! 馬鹿、馬鹿、私の馬鹿っ! これじゃまるで、縛られるのはいいみたいな言い方じゃないのっ!
「そう。じゃあ、このまま進めるよ」
修一の声音が甘く変わり、くだけた口調になった。
――ど、どうしよう。これじゃもう、やめてくれなんて言えない雰囲気。ああ、でも、こんなすてきな人にしてもらえるなら……。
このままでもいいかな、と思ったとたん、気持ちの抵抗がなくなった。耳元に修一の息遣いを感じて、急にどきどきしてしまう。
背後からやさしく抱きしめられ、両手で左右の乳房を包まれた。そのままうなじに唇を押しあてられ、ついばむように何度もキスをされる。その動きに合わせて、修一の手にも力が入り、軽く押された乳房が心地よい。
不思議な感覚だった。
後ろ手に縛られて動けないところを、よく知らない男に触られてキスされる。ふつうに考えれば気持ち悪くて恐ろしい状況なのに、そんなふうには感じない。むしろ、強い力で守られているような、なんともいえない安心感がある。
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