放課後に激しく愛して
2013/04/16
◆冒頭◆
硬い音を響かせて、チョークが黒板の上を走る。
そのチョークを握る、浅黒い大きな手。
手は、ひきしまったしなやかな腕へと続き、肘までまくりあげられたワイシャツを通って、長身の若い男の体につながっている。
山崎美登里は、黒板に書かれた文字には注意を払わず、チョークの持ち主をじっと見つめた。
尾方雅之、26歳。数学の教師であり、美登里のクラスの担任でもある。
彼はやさしく、いつでも公正だった。以前、天然パーマで頭髪検査にひっかかり、美登里がほかの教師からねちねち小言を言われていたとき、彼がかばってくれた。
そのとき以来、美登里は彼に恋をしている。
だが彼には、結婚して3年目になる妻がいた。教師と生徒というだけでも、社会的には歓迎されないというのに、相手が既婚者というのは致命的な障害だ。
それでも美登里は、彼への想いを抑えることができなかった。
穏やかでいて男らしい、大人の彼。彼の前では、同年代の男の子たちは、みんな粗野で、ひどく子どもっぽく見える。
彼と同じ教室にいられるホームルームや授業時間は、美登里にとって至福のひとときだった。
今日も美登里は、彼の一挙手一投足を目で追いつづける――。
◆Hシーン抜粋◆
双丘のはざまを割るように指がすべり、肛口を通って中心に至る。濡れたぴちゃりという音に体をすくめたとたん、だが指はそこを離れ、内ももをたどって下へと進んでいく。
そのあいだに、雅之の唇は美登里の口もとを離れ、鎖骨を丁寧になぞってから、胸もとへと進んだ。
唇で乳首を挟まれ、もむように圧迫される。しびれたところを舌でつつかれると、ぞくぞくするうずきがこみあげた。
思わず身をよじる。
体重をかけて押さえこまれ、さらに舐められた。
口を離されると、唾液が蒸発してひやりとする。ふたたび口に含まれ、ときおり歯を立てられながら、吸ったり舐めたりをくりかえされる。
うずきが広がり、しだいに体全体が熱を帯びた。
両手で膝裏を撫でられた。腹部全体に唇を這わされ、臍を舌先でくじるようにされた。
雅之の顔が股間まで下がると同時に、膝裏を手で支えられ、膝が胸の方へいくように腰を曲げさせられる。
あらわになった股間に雅之の息がかかったかと思うと、ふいにクリトリスを舐められた。
「あ……っ!」
強すぎる快感が、痛みのようにそこに突きささる。
さらに舌先でつつきまわされ、美登里は苦しさに体をくねらせた。両手を伸ばし、雅之の髪をつかんで引きはなそうとするが、びくともしない。
折りまげられた足を左右に大きく開かれ、無防備になったところを、舌でざらりと舐められ、唇で全体を包まれて強く吸われた。
◆抜粋◆
「それじゃ先生、また明日学校で」
「ああ」
美登里から言わなければ、たったそれだけの言葉もないかもしれない。
抱きあっているさいちゅうは、我を忘れるほど幸福を感じるのに、終わると猛烈な孤独を感じた。
不倫、という単語が重くのしかかる。
雅之には、家で帰りを待つ妻がいる。彼は学校では、まじめでやさしい教師の顔を持っている。
美登里は、そのどちらにも勝つことができない。ベッドの上でどんなに激しく愛されても、決して美登里は表に出ることができない。つねに日陰の身なのだ。
雅之の運転する車の助手席に乗りながら、街を行くカップルを見ては胸が痛んだ。
こんなに好きなのに、どうして自分は彼とふつうに歩けないのだろうか。こんなに肌を合わせているのに、どうして自分は彼と心を通いあわせることができないのだろうか。
いっそもう終わらせてしまおうかという気持ちになることもあったが、彼を失うことは恐ろしかった。
愛されていなくても、気まぐれでつきあってもらっているのでもかまわない。いっしょにいられないよりはずっといい。
硬い音を響かせて、チョークが黒板の上を走る。
そのチョークを握る、浅黒い大きな手。
手は、ひきしまったしなやかな腕へと続き、肘までまくりあげられたワイシャツを通って、長身の若い男の体につながっている。
山崎美登里は、黒板に書かれた文字には注意を払わず、チョークの持ち主をじっと見つめた。
尾方雅之、26歳。数学の教師であり、美登里のクラスの担任でもある。
彼はやさしく、いつでも公正だった。以前、天然パーマで頭髪検査にひっかかり、美登里がほかの教師からねちねち小言を言われていたとき、彼がかばってくれた。
そのとき以来、美登里は彼に恋をしている。
だが彼には、結婚して3年目になる妻がいた。教師と生徒というだけでも、社会的には歓迎されないというのに、相手が既婚者というのは致命的な障害だ。
それでも美登里は、彼への想いを抑えることができなかった。
穏やかでいて男らしい、大人の彼。彼の前では、同年代の男の子たちは、みんな粗野で、ひどく子どもっぽく見える。
彼と同じ教室にいられるホームルームや授業時間は、美登里にとって至福のひとときだった。
今日も美登里は、彼の一挙手一投足を目で追いつづける――。
◆Hシーン抜粋◆
双丘のはざまを割るように指がすべり、肛口を通って中心に至る。濡れたぴちゃりという音に体をすくめたとたん、だが指はそこを離れ、内ももをたどって下へと進んでいく。
そのあいだに、雅之の唇は美登里の口もとを離れ、鎖骨を丁寧になぞってから、胸もとへと進んだ。
唇で乳首を挟まれ、もむように圧迫される。しびれたところを舌でつつかれると、ぞくぞくするうずきがこみあげた。
思わず身をよじる。
体重をかけて押さえこまれ、さらに舐められた。
口を離されると、唾液が蒸発してひやりとする。ふたたび口に含まれ、ときおり歯を立てられながら、吸ったり舐めたりをくりかえされる。
うずきが広がり、しだいに体全体が熱を帯びた。
両手で膝裏を撫でられた。腹部全体に唇を這わされ、臍を舌先でくじるようにされた。
雅之の顔が股間まで下がると同時に、膝裏を手で支えられ、膝が胸の方へいくように腰を曲げさせられる。
あらわになった股間に雅之の息がかかったかと思うと、ふいにクリトリスを舐められた。
「あ……っ!」
強すぎる快感が、痛みのようにそこに突きささる。
さらに舌先でつつきまわされ、美登里は苦しさに体をくねらせた。両手を伸ばし、雅之の髪をつかんで引きはなそうとするが、びくともしない。
折りまげられた足を左右に大きく開かれ、無防備になったところを、舌でざらりと舐められ、唇で全体を包まれて強く吸われた。
◆抜粋◆
「それじゃ先生、また明日学校で」
「ああ」
美登里から言わなければ、たったそれだけの言葉もないかもしれない。
抱きあっているさいちゅうは、我を忘れるほど幸福を感じるのに、終わると猛烈な孤独を感じた。
不倫、という単語が重くのしかかる。
雅之には、家で帰りを待つ妻がいる。彼は学校では、まじめでやさしい教師の顔を持っている。
美登里は、そのどちらにも勝つことができない。ベッドの上でどんなに激しく愛されても、決して美登里は表に出ることができない。つねに日陰の身なのだ。
雅之の運転する車の助手席に乗りながら、街を行くカップルを見ては胸が痛んだ。
こんなに好きなのに、どうして自分は彼とふつうに歩けないのだろうか。こんなに肌を合わせているのに、どうして自分は彼と心を通いあわせることができないのだろうか。
いっそもう終わらせてしまおうかという気持ちになることもあったが、彼を失うことは恐ろしかった。
愛されていなくても、気まぐれでつきあってもらっているのでもかまわない。いっしょにいられないよりはずっといい。
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